タンツ・ムジーク

音楽めもです。

わたしが好きな松本隆 作詞曲

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いいなー いいなー 楽しそうだなあ。

 

80's歌謡曲食べ放題で育った世代ではありますが、わたしは特別松本隆マニアではありません、たぶん。

突然の斉藤由貴マイブームもこういったアニバーサリーとは無関係だったのだけど、いろんな人が松本隆歌詞の一節をセレクトしてたブルータス松本隆特集号が面白かったので便乗してみたいと思います。

 

 

 

しあわせと ふしあわせ  かきまぜる

ゆめ色の 小さな スプー

ひとしずく あいをのせて

あの人に あの人に あげたいの

 

 

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「夢色のスプーン」 飯島真理 (1983)

(作詞 : 松本隆  作曲 :筒美京平  編曲 : 川村栄二 )

 

ここ最近、たまたま動画を見つけて久しぶりに聴いてみたら思いがけず感銘を受けてしまった、アニメ「スプーンおばさん」のオープニング曲です。

子供の頃はただ単に良い曲としか感じてなかったけれど、大人になった今聴くと、涙があふれてくるくらい歌詞が沁みます。

幸せと不幸せはセットで、でもそれをかき混ぜてあげられたら、ひとしずくの愛を他人に分け与えられる……(泣)  深い…。

 

Bメロの歌詞(しあわせと ふしあわせ かきまぜる)は、サビの "ゆめ色の小さなスプーン"にかかってるんですね。詞先で作った曲だったのでしょうか。これも意外でした。

 

でもってこの曲の歌詞のすごいところは出だし。小学校低学年向けの、しかもNHKのアニメ番組の主題歌であるのも関わらず、エッジが効いてる。

 

きれいだねって いわれなくても/ わたし ちっとも さびしくないし

いつも なみだで 生きているほど/ 弱くもないし 強くもないの

主人公がおばさん、、てか、おばあさんだからって、なんとも強烈な導入部…! 

 

エンディングの「リンゴの森の子ねこたち」もとってもかわいらしい曲でだいすきでした。

 

と、ここまで書いてきて、「夢色のスプーン」はちょう名曲だけど、松本隆っぽいか?と言われるとそうでもないような気がしてきましたので、もう一曲。

 

 

 

夏の影が砂浜を急ぎ足に横切ると

生きることも爽やかに視えてくるから不思議だ

 

 

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カナリア諸島にて」 大滝詠一 (1981)

(作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一 編曲:多羅尾伴内)

ぱっと思いついたのがこの歌詞。ただ単に、自動車のCMソングで耳にすることが立て続けにあったからかもしれない(笑) 

松本隆の歌詞って、情景がふんわり浮かんでくる中、鮮烈な印象を放つ言葉がピリっと入ってくる、、そんなイメージがあります。

この曲が収録されてる『A LONG VACATION』だと、「雨のウェンズデイ」がトータルで一番好き。大瀧さん×松本さんの曲はまさしく脳内リゾート。リゾートにまるで興味のないわたしでも都会にいながらその雰囲気に酔ってしまいます。

 

 

 

80年代に子供時代を過ごしたわたしにとって松本隆と言えば松田聖子。本当は聖子ちゃんからも一曲選びたかったけど、選べなかった…。ヒットを連発してたのが逆に不思議なくらい、松田聖子楽曲はあまりにも傑作だらけなので降参しちゃいました。

 

 

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こちらはファンの間では鉄板な、ジャストポップアップというNHKの音楽番組での1コーナーで披露された、岡村靖幸による弾き語り「SWEET MEMORIES」<(1983)  (作詞:松本隆  作曲・編曲:大村雅朗)  > 。(岡村ちゃん、ブルータスで張り切って松本さんにインタビューしてたね!)

 

ギロッ ギロッ と、たびたび田中美奈子に熱い視線を投げる岡村ちゃんが面白すぎる…。

(余談ですけど、わたし、 " 懐かしい痛みだわ " って出だしを、 " 懐かしいイタミダは " って、「巨人の星」の "重いコンダラー" 式に結構長い間ソラミミしてました。高校生くらいまで「イタミダって何だろう?」と。)

 

リアルタイムでこの放送を見てたなぁ。ジャージ姿で茶の間のテレビに釘付けでした。

フリッパーズも同じ回にゲストだったんですよね。

 

この映像を繰り返し見すぎたせいで、もはや岡村ちゃんアレンジの歌い方でしか「SWEET MEMORIES」を歌えなくなったわたしです。あいらびゅそ~~~

 

 

 

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「初戀」  斉藤由貴 (1985)

(作詞:松本隆  作曲:筒美京平  編曲:武部聡志)

由貴ちゃん本人はブルータスで「初戀」の一節を選んでらっしゃいました。

何気無い話をしても/溶けそうな幸福が怖い

わかる。

 

トリビュート(http://www.jvcmusic.co.jp/kazemachi45/)でこの曲を朗読した広瀬すずちゃんは

触れ合った肩が熱いから/銀幕がかすんで見えない

という箇所をチョイス。なんとなく「卒業」の方が彼女のキャラクターに近いような気もする。

 

インパクトや完成度でいったら「卒業」の方が上なのに、なんでわたしも由貴ちゃんも「初戀」を選んでしまうのかな。隙がなさすぎるからかしら。だし、「みんなのもの」はプライベートな存在になりにくいものですよね。

 

職場で落ちてた週刊誌にちょうど斉藤由貴デビュー30周年のインタビューが載ってたのだけど、「卒業」の歌詞は6時間で出来たんですって。すごい……。

 

名物プロデューサー*1が明かす『卒業』誕生の秘話!

(抜粋)

「松本さんと一緒にタイトルを考えることになったのですが、テーマとしては『最初で最後のもの』。ふた晩考えていくつか案を出したなかで、『卒業』に決まったんです。それから6時間で歌詞ができた。その詞を筒美さんのところへ持参したら、3日後に曲が上がってきました。印象的なイントロのメロディは、京平さんのデモテープに入っていましたね。」

 FLASH  2015年2/3号 

 

ブルータスで初めて知ったんですけど、はっぴいえんどの「はいからはくち」<(1971) (作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一)>って、素直に "ハイカラ 白痴" だと思ってたんですけど、"肺から吐く血"って意味も引っかかってんですね??全然そっちの方はイメージできてなかった~。

*1:長岡和弘氏