タンツ・ムジーク

音楽めもです。

「ドビュッシーには厳しいの。」

ピアノのお稽古を止めてから丸一年が経ちました。

先日久しぶりにピアノに向かってみたら、まあ、弾けない弾けない。目をつむった状態で演奏出来たあの曲もこの曲も、悲しいくらい綺麗さっぱり忘れてしまいました。
 
全くの初心者から始めて、去年の7月末まで、約6年間クラシックのピアノ教室に通ってまして。きっかけは時間に余裕が出来たのと、矢野顕子のモノマネがしてみたいという、至極ありがちでミーハーな動機から。
矢野さんの曲はジャズピアノの類なのだろうなあとは素人ながら分かってはいたのですが、100%楽器初心者のわたしがいきなりジャズは無謀すぎる、まずは基礎だろうと、地元のクラシック・ピアノ教室の門を叩いたのでした。
 
大人用のバイエルを一通り弾けるようになったら、好きな曲を弾いていきましょうという、たのしい趣味ピアノではあったんですが、結局ポップスよりクラシックばかり弾いてたな。クラシックと言っても、YouTubeで検索すると、ちっちゃいお友達が演奏してる映像がたくさんヒットするようなレベルの曲だけど(笑。 頭の固い大人初心者なもんで、とにかく楽譜読みが苦痛で仕方なかったわたしは、練習する曲を選ぶ際、どこかポップな雰囲気のもの、そして曲の短さを最も重視しておりました。途中で心が折れそうな楽譜の量のものはまず避けてた。邪道ですねえ。でもって、ひたすら暗譜タイプだったから、練習をやめた途端、速攻弾けなくなるという…(泣。
 
クラシックに疎いわたしでも思ってたより長く続けられたのは、担当していただいた先生がすごく熱心な方だったから。年齢は50代前半? 吉行和子似の華奢な方で、いつもコースの規定以上の時間をかけてご指導して下さった。生徒さんをたくさん抱えててレッスンをぎゅうぎゅうに詰めてらっしゃったから、ときどき先生のお腹がグ~と鳴ってるのが聞こえると申し訳ない気持ちになった。
そんな先生の口癖は「わたしはドビュッシーが好きだから、ドビュッシー(の曲のレッスン)には厳しいの (キリッ  」でした。そんなん聞いたらやろうと思わないよね、ドビュッシー(笑。 先生は一人息子とうまくいってないみたいで、息子さんの愚痴を話し出すと止まらなかったのもいい思い出です。
 
うちのペナペナな電子ピアノと違って、教室のグランドピアノの音色が美しかったのも続けられた理由のひとつでした。演奏会は苦手だったけど。
 
 
 今まで練習した曲で思い出深いものをいくつか。


ママピアニストが演奏する胎教に良い音楽 / 高木梢(ピアノ) - YouTube

 ギロック 「雨の日の噴水」

プロが弾いてそうなものがこれしかなかった^^

ギロック(アメリカ 1917-1993)の「こどものためのアルバム」より。

短いなりにドラマティックな曲で好きだった。「演奏にあなたのカラーがよく出ている。絶品よ!」と、先生になんだか芸術的な褒め言葉をいただけたのも嬉しかった。悲しいかな、もう忘れちゃって指が動かないけど…。先生、ごめんなさい。

この作品集の「雪の日のソリのベル」もやったなあ。フランソワ・ド・ルーベの映画音楽みたいな雰囲気でこの曲も好きだった。

 

 

 

 


ドビュッシー/6.ゴリウォーグのケークウォーク/演奏:金子 一朗 - YouTube

 ドビュッシー  「ゴリウォーグのケークウォーク」

ドビュッシーには厳しいの」という先制を打たれても、結局この曲と「亜麻色の髪の乙女」はやった。「アラベスク」はまだ早いと却下されましたが。
「ゴリウォーグ~」は、ドビュッシー(フランス 1862-1918)が娘さんのために書いた「子供の領分」という組曲の中のひとつ。黒人音楽のラグタイムを彷彿させる小粋な雰囲気が気に入って弾いてました。1908年に完成、って、全然最近のことじゃないですか。ドビュッシーの曲は確かに現代的な音楽ではあるのだけど、巨匠なイメージがあるから改めて驚く。

 

 

 


バッハ/平均律クラヴィーア曲集第1巻第2番前奏曲BWV847/オコンサール,M ...

バッハ  「平均律 第1巻第2番BWV847」
平均律とは…?って感じで未だによく分かってないのですが、このプレリュードは今でいうミニマル・ミュージックのような感覚で楽しんでいました。(めも: ヨハン・セバスティアン・バッハ(ドイツ 1685-1750)。)

 

  

 

 


Taeko Onuki + Akiko Yano - Yokogao (Profile) - YouTube

大貫妙子 「横顔」(1978)    <「ミニョン」収録>

唯一、矢野顕子曲を見ていただいた曲。矢野顕子ていうかオリジナルは大貫妙子だけど。(1992年リリースの「SUPER FOLK SONG」という、矢野顕子のピアノ弾き語りカバーアルバムがありまして、その中に収録されてる大貫妙子の曲を矢野さんがピアノ弾き語りにアレンジしたバージョンの楽譜を見てもらった。)

わたしが弾いてる横で、原曲を知らない先生が「♪い~~つ~か~  こ~~えを」と美声で歌ってくれるのが面白かった。

 

楽譜はあるんだから、独学でも時間見つけてやればいいのにと自分でも思うけども、一度練習を中断してしまうと、なかなかね。再開するにはそれ相当の気合いが必要、なんですよねェ。