タンツ・ムジーク

音楽めもです。

DENKI GROOVE THE MOVIE?

 

去年の仕事納めの日、解放感を味わいたくて、急きょ映画『DENKI GROOVE THE MOVIE?』を観に行きました。以下、映画の内容に触れます。

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電気のこれまでを追ったドキュメンタリー映画。 面白かったけど予告同様、本編も英語のナレーションに日本語字幕というスタイルだったのがなぞでした。

今回、漫画家の天久聖一渋谷直角のアフタートーク付きの回に運よく入れたのですが、天久が登壇するなり英語ナレーションにさっそくつっこんでた(笑)。天久の安定した電気グルーヴ的話芸を少しだけめも。(アイドルファンだからレポるまでが現場)

天久「さっきの回で僕も初めて映画観たんですけど、まずナレーションが英語っていうのが…(笑」

天久「(客席を見まわして)果たして下の字幕を読めた方がこの会場にどれくらい居るのか…日本の識字率は…」

(会場 笑い)

 

天久「関係ない話かもしれないですけど、キングオブコメディの高橋さんの衝撃的なニュースがありましたけど。20年で制服とかブレザーを600点、学校に忍び込んで盗んだっていう。人を笑わせながら平行してですよ?」

(会場 笑い)

天久「600点…。電気なんてまだまだですよ! (制服600点と比べて)リリースの数からいってもまだまだ!」

 

 

 

電気、好きだったんですよ。テクノミュージックを聴くきっかけになるアーティストって、YMO、電気、ケンイシイ、中田ヤスタカtofubeats……、と世代によっていろいろ分かれると思うのですが、わたしは完全に電気世代。今風に言うなら、ファーストアルバムのリミックス盤  ”『FLASH PAPA MENTHOL』出 ” の、電気が洗練し始めた時期以降のファンだし、オールナイトを欠かさず聴くようなマニアではなかったけれど、聴く音楽や価値観等々、10代の頃なんてかなり影響を受けました。(今思うと有害な影響ばかり………)

映画は電気の二人によるコメントが一切ない構成だったこともあり、元メンバーのまりんのインタビューがやっぱり一番興味深かったな。

あの二人がいると普通の会話が許されないとかなんとか言ってて、当時から思ってたけどあんな悪童(眉毛)と怪物(顔)相手によくぞ何年も一緒に活動してたなぁと思う(笑)。1993年リリースの4thアルバム『VITAMIN』制作時、曲の半分以上をインストにすると譲らない電気側とキューン側が揉めに揉めた話はファンにとってはおなじみの話だけど、卓球と瀧が不在の移動車の中、「会社はお前たちに投資してるんだ、何を考えてるんだ」とディレクターにチクチク言われいじめられていた、というエピソードに胸が痛くなった(笑)まりん、気の毒(笑)。

 

まりんが脱退した後のCDも聴いてたし、電気の歴史はある程度頭に入ってるけれど、やはり一番記憶が鮮明なのはグループの危機的状況から起死回生を見事に成し遂げた7枚目アルバム『A』、「Shangri-La」リリース前後の頃で、まりんによる『A』制作時のエピソードは2015年に聴いてもエモかった。そうそう、『KARATEKA』まで、電気はこれくらいまではイケるだろうという予想はしていたけど、『VITAMIN』以降のことは全く想像していなかったというコメントにも、「その時、歴史は動いたっ…」とリリース当時興奮に打ち震えていた身としては熱いものがあった。

 

オリメン2人になって以降、個々の活動、特に瀧は多方面で絶好調だし、外野感覚になればなるほど安定ユニットにしか見えてなかった電気グルーヴ。それでも人並みに浮き沈みがあり、楽しそうだからやってみた的なスチャダラパーとのユニットすら、グループを維持するにはそれなりに必要な通過点だったのだろうなあ、というのが映画のおおざっぱな感想です。ドイツのテクノフェスにならった卓球のWIRE主催も言われてみればまりん脱退後で(脱退理由の一つに、電気の海外での活動や方向性がドイツじゃなくて、まりんはもっとイギリスとかだと思っていた、ドイツは違うだろうと今なら言えるけど当時は言えなかった、とコメント)、そういったばらばらだった点と点を繋げてくれる演出がなされていた。

鑑賞後、いまだに電気熱が冷めないままいろいろ引っ張り出しては聴き返しています。映画の帰り道に聴くライブ盤(「イルボン2000」)、気持ちよかったな。

そういえば、電気出演のスマスマライブは、スマップが歌う「N.O.」への違和感と、誰が相手だろうと遠慮なく「木村拓哉」な木村さんにソワソワしてたらいつの間にか終わってた。

 

 

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「Disco Union」(1993 『VITAMIN』収録)

懐かしい。いいね!

 

 

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「ノイ ノイ ノイ」(1994 『DRAGON』収録)

たのしいな!!

 

 

www.youtube.com「Volcanic Drumbeats」(1997 『A』収録)

 かっこいい!!!

 

 

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 「猫夏」(1997 『A』収録)

こころがおどるね。

 

 

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あすなろサンシャイン」(1997 『A』収録)

エモーショナル。そして、卓球ってやっぱりライブ映えするいい声してるなあと思う。

 

 

 

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エジソン電」(2000 『VOXXX』収録)

さいこう。この曲を聴いてると、もしも今車に轢かれて命を落としたとしても、そんなもんかと納得してしまいそうだなぁなんて、毎回そんな感覚になる。無秩序に混沌としてるけど心は晴れやか。

 

 

 

でもやっぱり電気といえばコレでしょうか。

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「電気ビリビリ」(1993 『FLASH PAPA MENTHOL』収録)

ふと今思いついたのだけど、オードリー春日(電気ファン)の一人称の「あたし」はひょっとしてこの曲の歌詞の「どんなにあたしが素晴らしいかを」から来てるのかな?今も味のある端正な顔立ちだと思うけど、若い頃の瀧は春日とシュガキャンの人を足して割ったような美男子だった。